豪華な中世の結婚指輪
結婚指輪は、古代ローマ時代からすでに存在していましたが、当時は鉄でできたシンプルなものでした。しかし、16世紀のルネサンス期になるとダイヤモンドのカット技術や金細工の加工技術が進歩したことにより、かなり豪華で工夫がされた結婚指輪が発明されました。16世紀から18世紀までに流行した結婚指輪としては、フェデ・リングやギメルリングがあります。フェデ・リングは、指輪の図柄で手と手が握りあう形になっており、2世紀から3世紀頃のローマ時代にも流行したデザインでしたが、ルネサンス期に復活しました。
ギメルリングは、宗教改革者として有名なマルチン・ルターがはめたことでも有名ですが、2つの指輪がつながっており、はめると一つの指輪になるようになっています。現代でも、フェデ・リングやギメルリングはブライダルリングとして残っています。17世紀には、恋人同士の間で愛の詩をささげる風習が流行したため、結婚指輪にも愛の詩を刻むのが流行しました。王族や貴族などの特権階級の結婚指輪には、ダイヤモンドやサファイヤ、ルビーなどの高価な宝石が使用されました。
その中には、ダイヤモンドでバラの形に彩った豪華なリングもありました。19世紀の産業革命以降は、貴族だけでなく一般庶民も豊かになったため、豪華なブライダルリングを購入することが一般的になってきました。現代のようなプラチナのマリッジリングが浸透しはじめたのは、20世紀に入ってからです。